いよいよ始まる夏予選。
念願の背番号「1」を手にした新エース沢村率いる青道高校野球部の初戦対戦高校は、片岡監督の恩師・榊英二郎率いる由良総合工科高校に決定。
大事な初戦で、先発を任された沢村の緊張をほぐそうとするキャプテン他3年生、それぞれの思いを胸に一夜を過ごす。
第146話 ネタバレ「眠れない夜に」
青道高校の最大のライバル・稲城実業高校の初戦。
明らかに格下の相手にエース・成宮が登板。
『明らかに格下の相手にもかかわらずエースを先発させたか・・・』
『一部の好きも与えない。これが王者の戦う姿勢・・・』
『それだけ初戦は大事ってことだろ』
と、ざわめくスタンド。
『いよいよですね・・鳴さん!』
『ここから一本道だぜ』
『蹴散らせ!!』
『いこーぜ成宮!!』
『鳴さん!!』
『成宮さん!!』
ナイン、ベンチから声をかけられるエース・成宮
成宮が振りかぶり、不敵な笑みを浮かべ
『そんなさぁ・・・一矢報いるみたいな顔しても無駄だよ』
『今年の夏は俺たちのモンだから』
ライバル・稲実の初戦を中継で、見る青道ナイン
『5日に開幕した全国高等学校野球選手権 西東京大会』
『3回戦シードで登場した稲城実業は沢第二高を圧勝』
『去年の甲子園 準優勝。秋大会でのまさかの敗退を経て、初の都大会、関東大会と優勝』
『世代最強と言われる成宮鳴にとってどのような夏になるのかー』
『明日は選抜に出場した稲実のライバル青道高校が3回線に出場します』
『こちらも楽しみなチームですね』
と熱狂するアナウンス
『この日の他にも、八王子球場の市大三高、昭島球場では成孔、立川球場では薬師、それぞれ順当に勝ち上がったよ』
と、戦力解析係の渡辺。
『おっしぁあ 次は俺らの番やな!やってやろうやないか!!』
と、気合いを入れるゾノ。
『明日は7時には球場入りし、向こうで身体を動かす。早めに休んで明日に備えるように』
片岡監督が、選手に指示
『しっ!!』
『沢村 風呂はリラックスできるからしっかり浸かれよ』
『寝る前はホットミルクもいいよな』
『冷たいもの飲みすぎんなよ』
『マッサージいるか?』
『めぐリズムもいいぞ!』
『ストレッチもな!』
初登板を控える沢村に、気を使う先輩
『おぉ』
『俺のアイマスク貸してやろうか?』
『あんたそれ何個持ってんだよ?しかも面白いやヤツ!!』
とキャプテンにツッコむ沢村
『ったく。どれだけ心配されてんだよ俺。そんなに頼りねーか』
『どーだ 浅田。位置バッチリか?』
『バッチリです』
『お前今日もそれ着て寝るのかよ』
『仕方ないでしょうが!!今はまだこの番号を着せされてる状態なんですから!1日でも早く身体に馴染むようにしたいんですよ俺は!』
『まだ1試合も投げてねーのに似合うも似あわねぇもねーだろ!!バカかよ!』
『内面から滲み出る何かがあると思うです』
『バカは前面に出てるけどな』
『じゃー先に休ませてもらいますよ!』
同室の先輩にツッコまれ、ふてくさベットに潜り込む沢村
なかなか寝付けずキャプテン御幸にとの会話を回想する
『ほんの1、2月前はお前がエースナンバーを背負う姿なんて想像できなった・・』
『お前らにはいつも驚かされてばかりだな』
『ここ最近の投球を市大三高や薬師、稲実相手にぶつける事ができたなら・・・・考えるだけでワクワクしてくるな』
普段褒めないキャプテンの言葉に、寝相で喜ぶ沢村。そして、元相棒のクリスからも激励の連絡があり、なお喜ぶ。一方で、
『くそ何だこれ。寝れねぇな』
最後の夏にかける思いが強い3年倉持。卒業した上級生が破れた去年の夏の大会の光景を思い出す・・気持ちを整理し、沢村の様子を伺う。熟睡している澤村に
『明日は頼んだぜ!新米エース』